9月14日に第19期第2回教育問題審議委員会をWebで開催しました。今回は、東京藝術大学出身で芸術学博士及び音楽学博士、前国立音楽大学副学長で現在は東京経済大学客員教授の久保田慶一氏を講師としてお招きし、「音楽教育において非認知能力はどのように教育するのか」と題して御講演いただきました。
久保田氏は、専門は西洋音楽史でありますが、その専門に留まらず非常に幅広い知見をお持ちの方であり、様々な視点を通して非認知能力を育成することの意義やその具体的方法について指導してくださいました。
特に印象に残った点は、音楽鑑賞の指導の場面で、何も考えずにただ曲を聞いた1回目と、歌詞に含まれる意味について、自分と関連付ける問いかけを行い、考えさせた後にあらためて同じ曲を聞く場合とでは、曲の聞こえ方そのものが全く違ってくるのだということを実感した部分です。参加者からも「まるで自分のために書かれた曲のように感じた」との感嘆の声が上がりました。また、音楽鑑賞を通じて非認知能力を育成することの意味について「自己の更新を継続して行うことで、人は自分の人としての成長を自らで感じ、確信をもつことができるのであろう。こうした自己効力感や自己肯定感が、その人の人生を充実して安定していくものにしていくものと思われる」との言葉は、非認知能力育成の意義について、大きな示唆を与えるものになると感じました。
講演動画を全日本教職員連盟公式YouTubeチャンネルで公開しております。是非御覧ください。また資料についても以下でダウンロードできます。